犬のモウショ14

男はあっさりと逮捕された。警察官は犬の死骸にビックリしたようだったが男への手続きをまず進めていた。妹がモウショに近づいて行った。モウショの口から何かを取り出し、そのあと閉じた手でモウショの登頂部から目を押さえ閉じさせ、鼻、口そして心臓部へと手を動かした。後から思えばチャクラをしたのだ。その時に青い普賢神か仏陀が現れ、紅蓮の天道を空に開きモウショの霊を空の上の更に上に葬り送った。
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其を終えた妹の目には一滴の涙が宿った。歌手の杏里の歌に君の流す涙はそのまま私のものという歌詞があるけどその通り僕と妹はその時一つになれた気がした。やがて遅れてパパ、ママそしておばあちゃんまで部屋の中に入ってきた。おばあちゃんは僕の方に近づき例のように僕の肘を固く握った。おばあちゃんは何も語ろうとせず、ただ肘を握ることでお前は何も言わなくていいのだと力を込めかたってるきがした。その時初めて僕は救われた気になった。そしたら目からぼろぼろと涙が溢れ出してきた。そして青いシーツで首から下を巻かれたモウショの姿を涙目で妹と一緒に見送った。