息子の帰還1-1

彼と連絡が取れなくて二年ほどになった。僕は時間が経つにつれ心配になり旅に出た。九州のいなか町へであった。先日の豪雨が影響して道路は分断されていた。それでも近くの温泉があるその町には復旧が早かったのか幹線づたいの道を使って意外に短い時間でついた。僕のバッグには相当前に彼の母親から送られてきた後ろが温泉街写真の表面には一杯に先日北海道の僕の町であったことへの感謝が書かれたハガキ一枚がしまってあった。その宛先の住所は僕が以前置いていた事務所の住所だった。彼は僕の昔の依頼人だった。