息子の帰還2-2

訴訟は簡単に勝訴した。相手はあっさりと判決に従ってお金を払った。父親は最初お金を貰ったがそこからはお金を貰わず全額彼に渡した。それだけだった。彼がそれでもどのように考えたかは推測でしかない。裁判所って正常なんだな、法律って大したもんだ、この弁護士やるな、全額とはありがたいもっと取られると思ってた、幾つかあったんだろうが弁護士は二番目くらいで一番は法律というのは力になるということだったんじゃないだろうか?でもそれでは彼は心の奥中で感じてたことを自らに隠してることになる。正義は貫かれる、いや正義は貫かれるべきだという感情や確信が裁判のやり方次第で上手くいく。そんな漠としてるが妙な信念が初めて裁判なぞに接してひそかに強くなったのではないだろうか。そんな気が今から振り返ると僕にはする。それは決して彼のみならず通有なものだろうが彼には強く印象つけられたんだろ、戦うという姿勢トイッテモいいことが。それは彼の孤独の現れに過ぎないというのに。