妾の生涯壱

預けられた資料がある。今はもうこの地上にいないある女性の資料である。いつ頃預かったかと想い返すと、多分この十年以内のことだろう。いや亡くなったのはその頃で、預かったのはもっと後だろうけど、無責任だが、預かった当時それ程関心は持たなかったせいでその辺の記憶が定かでない。生きてる時に間違いなく会っている。それは多分ではなく確実なことだ。でも中に男の人が入っている。その人と僕とは親しかったけど、そしてその人からこの資料は預かったのだけど、その人が預かったものを処分して欲しいと預かったのだろうが(ここら辺からもう怪しい、その人ももうこの地上にはいない。生きてるのはこれらの資料と自分だけである。まさかこんな扱いの途上にあるとは彼女は思わないで旅立っだろう。少し悪い気もする。よく見ると中に裁判の記録があった。これまでよく見たわけではない。僕の知らない資料だ。担当はその先生、先程亡くなっていると言ったその人である。それを公開する訳にはいかないけど、でも彼女の無念さは明らかにしたい気持ちになった。そういう気持ちはみんな人生に悔しくなっています死んでいくのかなとも最近思うようになったからかもしれない。でも相応しいかどうかはなんともいえないのかの疑問も残るかも。でもみんな死んでいるのだからこれからも死んでくのだろうから少しそこら辺りに意味は出て来るのかもしれない。だから相当ウソ交えるしかない。そこからスタートするしかないんだろうなと思う。さぁ始めようか。