衣縫う母は4

担当者は常に変わった。予約もないので、上手くすればその日の空き時間を教えもらい、それまでの間は他所で待つこともできたが大抵はその事務所でいつ呼ばれるのかと待っていた。前任から事務の引継ぎはなくて、その都度兄との関係、その委任状、を説明し、やおらその事務所で扱う個人の関係書類にこちらも相手も立ち向かうような感じでした。大方コンピュータ内からどこからでも資料は取り出せるんだろ。でもここ地元でするのは何某か母もいた場所、母が心配を重ねた場所であって、いわば母にとって東京の悲劇を受け止めなんとかしてそうした流れに逆らいつつも力の差ゆえ諦め、でもそれに反抗心を持って兄のために図った場所、そうした地場的な何かがこの手続にも入ってる気がしてた。