ある株主総会一

それは数年前のことだ。その総会に私は招かれた。北海道道央の中都市にあった食品関係の会社の株主総会だった。同族だけの小規模な会社、そこの監査役に加えて頂けるという事となり、初対面の顔見せとして先生も来てくださいというのでやって来た。その会社は別に不動産管理の会社を持っていた。元々何人かの兄弟血族が北海道に移住してきて事業を始めたのだがその中で食品分野を興した親戚がそれなりに規模をおおきくし、その形成された不動産の管理する会社が必要となった。そういうケースは北海道では多い。食品工場などではそれほどの裾野はないが、これがバス会社なら、車庫や修理工場、それにガソリン関係の業務を扱う事業設備など自然と裾野は広がり、その為の不動産取得が絡んでくる。その結果その都市や周辺、沿線に用地が増え、ある時期からそれらを管理する必要が生じその為の管理会社ができてくる。特にバス事業など交通の便のよいところ、鉄道との連携などで市内のめぼしい場所で不動産を取得することが多くある。その結果時代の流れと共に資産価値が増大し、ますます管理会社が大きな存在となっていくのだ。その会社もそういう傾向が少し合ってその管理の為の会社が大きくなった。その会社の監査役にと求められたのである。