衣縫う母は1

高木正行が休暇を利用して地元で車を借り方方を旅行した後、その目的で帰郷したその為の施設に着いて、建物の中に入ってみるとその年金事務所は意外に混雑していた。嘗て年金の杜撰な管理が問題となり多くの人が心配し騒いだ状況になって駆けつけた人も多数いただろうが、その後平静に年金問題、一種のトラブルも平穏無事となりあまり年金事務所に訪れる者も少なくなったとの印象だったが、それは事実ではなく案外に相談者は多いようだった。その原因は一頃の名宛人への各種年金情報処理が順調に行ったその先の問題でか、その前の年金情報が未だ錯綜してるが故なのかは俄には分からなかった。受付の女性係員は予約をお持ちですかと聞いた上で、無いと分かると予約ある方が優先で2時間ほどお待ち頂きますよと受け答えした。この郷里で処理しその後東京に戻るべく、多少の時間のロスは無視し待つことにした。高木の兄の件だった。兄はこの町に戻れなくなって久しい。自分で年金を納めたことはない。仮に年金が一定期間支払ってたとするとそれは高木の母がしたことになる。その母はしかし自分が何をしたかは告げることなく今から三十数年前に亡くなっていた。年金事務所からは一枚の葉書が最近にきた。それ等の事とすべてが無関係に兄は病気で入院していた。その一枚の葉書が何事かを引き起こしている。眠っていた過去を覚醒させた。その時はまだそうなるとは想像していなかったが、何かが産まれ一つの運命線が微かに現れた。大したことではないがその線の始まりに実線を入れるのをその時開始したのだと思う。母はその失敗も成功も知る由はない。でもこの話は高木は母への報告のような形になる気がすると思った。それを報告したからと言ってどうなるというものでもないがやはり書かなくてはならないものてあるんだろ。さぁ始めようか。

貴州料理?


f:id:eanas52:20190607134721j:image

 

前回の天津で味わった貴州料理のおいしさ、忘れ難くここ上海でも見つけた貴州料理店入りました。メニュー見ると何となく大型で多人数用、特に肉は山羊とか羊とか当たり前に出ています。ご飯系統で済まそうかなと一品、多分炒飯みたいなのだろと注文したら出てきたのは半カットの粽。やられたぁ〰。

f:id:eanas52:20190607134735j:image

上海にて(漢字のデジタル、ひらがなのアナログ)

ホテルの朝食食べてると、中国人が漢字だけの文章読んでいる。固い感じがする。よくそれだけで文章読み取れるのかと感嘆もする。慣れてるとはいえ、要は漢字化すれば発音違うどのエリアでも通じるんだろ。結局中国文というのは世界の言語の主語述語目的語とかの区分を守り、あと適当に文法もあるんだろうが、英語でいういくつかのスペルを一漢字にしてるわけだから、一種のイコン化を昔から成し遂げてきたわけだ。大体象形文字から一つの観念を一語化したんだから漢字文字というのはある意味凄い。そこに日本人は日本語を加えた。この朝食会場に席置きの為に持ってきた文庫本から縦に流れる文章、その中の漢字以外のひらがな、それはなんか読んでください、伝えたいのです、柔らかくしてあります、が伝わってきてなんか意識の漏れを塞いでくれる。やっぱり漢字だけ文は読めない。

中国の美の概念

f:id:eanas52:20190407083300j:image

 

こうして葉脈をガラス板に嵌め込み其れを日常家事の中の居間に置物としておいてチラリ眺め和む中国人の感性の中には、生命の生存について仮相と見る見方と全くの永遠的生との見方の双方があり、一つ感傷を突き抜けたところが多分あるのだろうと思わす。