あるそよ風少女の話

夕暮れにぼくはちゃりを走らせていた。信号で止まると女の子と少女の中間のころの人が独りこれから歩いて横断歩道渡ろうとしていた。その人は信号待ちしてる僕を見てこういった。「随分久しぶりですね。よくおじさんのこと見かけたんですよ。気がつかなかったかもしれないけれど。」彼女は横断しようとしたけど、久しぶり僕を見たのでちょっと話してもいいのかな、と足を止めた風だった。その話し方は年齢の割には大人びていた。僕は第一に少女の年齢が気になった。「いくつなの」「18」「そうは見えないけど。」「若くみられるもん」「18だったら話してもいいよね」「どうして」「もう大人だし」「年齢なんて関係なく大人だよ。おじさんとおんなじ」「おんなじかどうかはどうやっても確認できないよね。」