犬のモウショ8

僕のそんなおばあちゃんの思い出はそのおばあちゃんの僕への話し方に尽きる。おばあちゃんは僕に何か話をするときほとんどの場合僕の両腕のどちらかの肘を掴まえて顔を近づけてきて話かけるのが常だった。そんなときの話はママの話だったりパパの話だったり僕の知っておかなければならない話なんだよという話なことが多かった。いや多分それは腕を掴まれ顔つきも分かって話をされるので自ずと大事なことなんだよと自分でそう思ってしまってたのかもしれない。今から思えばそういう話って深刻な話だけどおばあちゃんが話すると少し和らいで聞こえ、反対に大したことでなかったのおばあちゃんの話で深い意味があるかのように思ってしまったことがあったような気がする。そんな話の中に妹の出生の際の話もおばあちゃんから肘を掴まれて聞いたように思う。