息子の帰還1-4

原(はる)には数駅でついた。そこから街中に戻ると教えられていた。でも目の前にあるのがその○組の何番かは分からなかった。一つの家に入って聞くともう少し上と聞いて上にいくと郵便配達の人がいた。具体的に名前出したが、今はそういう事教えられないと断られた。それでもその地番はあっちの道を降りて行った辺りと教えてくれたのでその通り行ったけど表札からしても簡単には分からなかった。そこに公民館があった。その名前には母親が書いてきたエリアの名前が付いていた。誰かいるかと中に入ったが誰もいなかった。見るとその公民館はその近隣の人の寄付も相当あって建てられたもののようで見上げると壁には寄付者の名前と寄付の金額を書いた紙が掲げられていた。そこに名前がないか探してみたが見当たらなかった。そうしてると公民館の関係の老人が入ってきた。悪びれずハガキを出してこのご一家知らないか聞くと聞いたことないと言われた。こりゃダメだな、ここにもいないし何処に行ったかも分からないなと、ガッカリした。それでもその老人は近くの古くさい家の人に聞いてくれた。しかしその人も老人だったけど見当つかないようすだった。それほど大きな町でないのに簡単には見つからないもんだと思った。でも警察にはいけない、それは彼の趣旨に反するだろ。あくまでその姉と弟に会わなくてはならない。その人達がそうかと探そうとしなくてはいけない。それがなくなってる母親の気持ちでもあろうという気がこの人探しの最初から自分の中にはあったのだ。今回はこんなもんだろうと帰ることを決めた。この行動がいつか彼と出会えたとき笑い話の一つになるのを願って帰途についた。その前に温泉にも入り東京に戻った。